やっぱりインテリアが好き物語
オーダーメイド仕様でクルージングボートをコーディネート(船舶内装)
イギリス製のクルージングボート『Dream RunnerⅡ』の船舶内装リニューアルコーディネートのご依頼をいただきました。
今回は、お客様のご要望に沿ってオーダーメイドした寝装品やカーテンなどのコーディネートを紹介いたします。
- 〜お客様データ〜
- ・クルージングボート(客室、2段ベッド客室、主寝室、クルー室)
- ・購入家具:寝装品(布団・シーツ類一式)、カーテン、クッション
1.船内の楕円型ベッドに合わせて寝装品をオーダーメイド
今回はクルージングボート内のカーテン、寝装品、クッション等の内装コーディネートを行いました。
お客様からのご要望は『Dream RunnerⅡ』の世界観をそのままに『ラグジュアリーホテルのような雰囲気にしたい』というコーディネート依頼で、まず船舶の下見を行い、ヒアリングを重ねながらお客様の理想に近づけられるように検討しました。
実際に船舶の下見に伺うとイギリス製の船ということもあり内装が非常に豪華なつくりになっていました。また、ベッドマットレスが楕円形になっており、この形状のベッドパットやシーツは既製品がない為オーダーメイドが必要だということが分かりました!
その他、船内のカーテンは長さがそれぞれ異なるのでオーダーメイドで行うこととなりました。
〈オーダーメイドした家具〉
・寝装品(ベッドパッドやシーツ)
・カーテン
まずはそれぞれの型取り・採寸から行います。
マットレスがクイーンサイズの楕円型だったため、ベッドパッドは既製のクイーンサイズのものを縫製し直しました。こうすることで、一から製作するよりも安価に抑えられます。
マットレスカバーはこの楕円形にあわせてオーダーメイドで製作しました。
布地と型によって差はありますが、お客様にご満足いただける質の良いマットレスカバーを作るため、納品までに3週間を要しました。
2.クルージングボートの世界観をそのままに、『ラグジュアリーホテル感』を演出
ここからは、お客様ご要望の『ラグジュアリーホテル感』を演出したコーディネートを紹介します。
演出ポイントは2つあります。
①生地のこだわり~超長綿のサテン織寝装品~
②形状のこだわり~ギャザープリーツのカーテン~
まずは”生地のこだわり”についてです。
今回はオーダーメイドということでお客様と相談しながら生地からこだわって製作しました。ラグジュアリー感を演出するために各寝装品には超長綿(スーピマ綿)を、80番手(サテン織)であしらいました。
「超長綿」や「80番手」、「サテン織」という言葉を聞き慣れない方もいらっしゃるかと思います。
覚えておくと家具・インテリア選びにも役立ちますのでご紹介します!
〈最高峰の肌感「超長綿(ちょうちょうめん)」〉
超長綿とは綿花の繊維の長さが一番長く、35mm以上のものを指します。
この糸を使って織ることで、なめらかでしなやか、光沢のある丈夫な高級綿生地に仕上がります。
豆知識として、綿の種類は、綿花の繊維の長さの違いによって分類されます。
長いほど繊維も細くなり、手触りも良く反射率が高いため光沢感が増します。
また、糸をつむぐ際、つなぎ目が少なくなるので繊細でありながらも強い糸になります。
なお、有名な超長綿は素材自体がブランド化されており、品質管理体制も厳重に行われています。下記のブランド化された超長綿は皆さんも聞いたことがあるかもしれません。
・ギザ綿(エジプト)
・スーピマ綿(アメリカ)
・ピマ綿(ペルー)
・海島綿(西インド諸島)
今回使用したスーピマ綿は、生地感の良さから「スーピマ綿100%Tシャツ」なども販売されています。
〈光沢感のある生地の総称「サテン織」〉
サテンは朱子織物の総称で、朱子織りの特徴が活かされた滑らか(肌さわりがすべすべ)で光沢感のある生地です。
このサテン(織)は光沢があり、ゆったり感が出しやすいため、パーティーで使われるドレスやネクタイ、和装の帯などのフォーマルなアイテムに使われることが多いです。
また、80番手の「番手」は糸の太さを表す単位で一定の重さ当たりの長さを示しています。
番手の数字が大きくなるほど、光沢感が増し、美しくしなやかな生地になります。
・番手の数が大きい
→細い糸=光沢感が増す・着心地が柔らかい・しわになりやすい
・番手の数が小さい
→太い糸=生地が厚い・透けにくい・丈夫・しわになりにくい
繊細な細い糸で編まれた生地は着心地も良く、品質が高い生地となります。
一般的には、普及品と言われるシャツで50番手の綿糸が使われることが多く、高級ワイシャツでは100番手の細い糸が使われることが多いので100番手が1つの目安となります。
総じて、今回の寝装品では「超長綿(スーピマ綿)で、80番手(サテン織)」、 つまりラグジュアリー感の演出のために高級な綿で光沢感の増す織り方で製作しました。
もう1つの”形状のこだわり”についてですが、
形状のこだわりはカーテンを「ギャザープリーツ」という仕様であしらいました。
こちらはスカートのウエストをぎゅっと絞ってできたような細かい寄せ、ヒダでボリュームを出したスタイルです。
布のボリューム感で高級感が生まれ、”優雅で上品な大人な女性”をイメージさせます。
生地に使う綿の種類のこだわりや仕上げのこだわりで『ラグジュアリーホテル感』を演出しました。
また、その他にも全体的なカラーバランスにもこだわり、船内の木目の雰囲気を活かすため、「掛ふとんは落ち着きのあるネイビーカラーで温かみを持たせ」「ギャザープリーツのカーテンはグレイッシュトーン」「差し色でクッションは淡い光沢のあるピンク」を用いました。
実際に納品するとお客様から「ボートの高級感にしっくりとマッチしている」と大変喜んでいただきました。
3.おわりに
今回のご依頼では、実際にインテリアコーディネーターが下見で外内観を確認し、お客様の要望をヒアリングいたしました。それら全てを踏まえ、船舶内装の全体コーディネートをご提案しました。
これまでに紹介した事例とは異なりますが、お客様のご要望を家具の演出で叶えるという点では同じです。
いのくち家具では住宅以外にも船舶内装など様々なインテリアコーディネートのご提案も可能です。お気軽にメールやお電話にてお問合せください。
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