作業内容
修理対応者より
今回は、いつもいのくち家具をご利用いただいているお客様からご依頼で桐たんすの修理を行いました。親子2世代で60年以上使用している桐たんすのキズや割れの修理依頼です。お母様が着られる大切な着物の収納に使っていきたいということで娘さんから相談を受けました。引出しの底板の割れや、カビ・汚れ等が気になっていたが、両開き扉が壊れてしまったことを機に修理を検討されたとのことです。
お客様から桐たんすについて、「愛着があり、思い出も詰まっているたんすなのでまだ使い続けたい!状態は良くありませんが、できる範囲で直してもらいたい」と伺い、現状を確認しつつ修理箇所を洗い出しながら修理を進めました。
修理対象箇所としては3箇所あり、両開き扉の右側蝶番が腐食し外れている状態で、随所にひび割れがあり、あまり良くない状態にありました。
〈各箇所の修理方法〉
1 腐食によって外れてしまった扉右側蝶番
両開き扉の左右4か所の蝶番を、すべてナット止めに交換しました。
(金物類も思い入れのある物なので、できるだけ現物を補修して使用しますが、今回はやむを得ず交換しました)
※ナット止めにすることで通常の木ねじより強度が上がり耐久性が増します。
2 ひび割れ
⇒ソギ(桐材をV字に削ったもの)を割れに合わせて作りはめ込み補修しました。
3 変色とカビが発生している
⇒漂白剤で脱色・滅菌した後、カンナを使い薄く削り直して、砥の粉・塗装で仕上げました。
娘さんから「一時は無理だと諦めていましたがとてもきれいになりびっくりしています」と嬉しいお言葉を頂きました。
また、「これで母の大切な着物をしまっておけます。また修理が必要になったらまたお願いします」ともおっしゃっていました。
これからたんすやその他家具の購入の検討されている方の家具選びのポイントや
家具の修理を検討されている方のために今回の事例が参考になればと思います!
些細なお悩みでも構いませんので、家具のことならなんでもいのくち家具までご相談ください。
ただ家具選びや修理相談を受けるのではなく、使い勝手やメンテナンス、
お部屋とのコーディネートを含めご提案させていただきます。
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キズ・汚れ