作業内容
修理対応者より
多くの患者様が利用される病院の待合室。その空間の印象を大きく左右するのが、長く使い込まれたベンチです。
今回は、約20年間にわたり地域の皆様に寄り添ってきた待合室ベンチの修理事例をご紹介します。
1. 修理前の状態:長年の使用による劣化と衛生面の課題
ご相談いただいたベンチは、アルミフレームの堅牢な造りでしたが、座面の合成皮革には深刻な劣化が見られました。

長年の摩擦による表面の破れや変色、そして内部ウレタンの「へたり」による底付き感が発生していました。当初、お客様からは「傷みの激しい座面のみを張り替えたい」とのご要望をいただいておりました。
しかし、プロの視点で詳しく点検したところ、背もたれ部分にも横線状のシミを確認しました。

病院という清潔さが求められる空間において、部分的な修理では全体の統一感や衛生的な印象を損なう可能性があるため、今回は背もたれも含めた「全面張替え」をご提案し、採用いただきました。
2. 修理のこだわり:医療現場に最適な素材選びと技術
医療機関での使用を考慮し、機能性とデザインの両面から最適な修理を行いました。
- 高機能な素材選定
日々の除菌メンテナンスに耐えられるよう、「耐アルコール性」および「耐次亜塩素酸」機能を備えた合成皮革を選定しました。あわせて防炎・難燃性も備えており、公共施設でも安心してお使いいただけます。 - 色味の再現と空間への調和
「これまでの院内の雰囲気を大切にしたい」というご要望にお応えし、膨大なカラーサンプルの中から現状のアイボリーに限りなく近い色味を厳選しました。 - 座り心地の復元
へたってボリュームを失っていた内部のウレタンを補充。待ち時間を過ごす患者様の体への負担を軽減する、心地よい弾力性を素直に復元しました。
3. 修理完了:清潔感と快適さを取り戻した待合スペース
約1ヶ月の期間を経て、ベンチが生まれ変わりました。

既存のアルミフレームは丁寧に清掃を行い、新調したアイボリーの張地と組み合わせることで、まるで新品のような輝きを取り戻しました。背もたれまで含めて一新したことで、待合室全体のトーンが明るくなり、より清潔感のある空間へと進化しています。

お客様の声とまとめ
お届けの際、病院の担当者様からは「座面に合わせて背もたれも修理したことで、全体的にきれいになった」と大変お喜びいただきました。また、「患者様にも喜んでもらえる」という温かいお言葉をいただいたことが、何よりの励みとなりました。
大切な家具を買い替えるのではなく、培われた技術で「直して使い続ける」。それは、その場所に流れる歴史や想いも一緒に受け継ぐことだと考えています。
——-修理データ—————————————————————–
- 家具の種類 :待合室ベンチ(2人掛け・アルミフレーム)
- 修理内容 :座面・背もたれの全面張替え、ウレタン補充
- 使用素材 :耐アルコール・耐次亜塩素酸・防炎 合成皮革
- 修理期間 :約1ヶ月
————————————————————————————–