作業内容
修理対応者より
柏木工ダイニングチェアの塗装剥がれとがたつき修理のご依頼をいただきました。
このダイニングチェアは、20年ほど前に他店舗にて購入されましたが、その店舗はすでに閉店しているとのことでした。そんな中、以前いのくち家具でソファを購入したことを思い出し、修理を相談してみようと思ったそうです。
チェアの状況を確認する際に買い替えも提案させていただきましたが、「最近目にするダイニングチェアはデザインがシンプルなものが多く、好みのものになかなか出会えない。長年使用し、愛着のあるこのチェアをこのまま使用したい。」とのことで修理を行うことになりました。
また、お客様はこのチェアのアームを支える支柱に彫刻が施してあるところや脚部の前後・左右に加え、斜めに渡し補強があるところを気に入っておられるとのことでした。
修理をしていくためにダイニングチェアの状況を詳しく確認すると、木部の接合に緩みや割れは無く丁寧に利用されているようでした。ただ、ご依頼をいただいたように、全体的に経年劣化による塗装の剥がれがあり、特に肘の部分の剥がれが目立っていました。また、がたつきは、チェアの押引きの抵抗を軽減し、床材にキズが付かないようにするための脚部底の打ち込み式のフェルトが数か所破損していることが原因であることがわかりました。
今回の修理はお客様とも相談しコスト面を考えて、メーカーでの修理でなく、いのくち家具独自の修理となりました。
お客様のご要望を伺いながら、修理方法の説明を行った上で、2つの修理を行いました。
①塗装の剥がれ
塗装を専用機械で剥離させ、細部はサンドペーパーで丁寧に手作業で剥離させ、元の色味に近いように塗料を調合し、塗布し仕上げにツヤ出しを行いました。
②がたつき修理
残っていたフェルトを全て除去し、新しいものに打ち替えました。
破損しているフェルトのみを交換すると、先端が摩耗している他の脚との高さに差が出るため、全て新しいフェルトと交換した形になります。
修理後、仕上がりをご確認いただき、お客様から「塗装をしてもらうと購入時と変わらないですね」「がたつきもなくなりチェアの押し引きが楽になりました」と大変ご満足いただけました。
今回のがたつきの原因だったフェルトは消耗品なので定期的な交換をおすすめしております。
破損、欠落したまま利用を続けると、ガタつきが出て土台の樹脂で床にキズが付いてしまうこともあります。フェルトの交換時期は使用状態・状況によりますが、布部分が擦れて残り少なくなったときです。
今回のお客様のように、いのくち家具では他店舗で購入された商品の修理相談も承っておりますので、お気軽にご相談くださいませ。愛着のある家具を長く使用してもらえるようにお手伝いさせていただきます。
これからダイニングチェアやその他家具の購入を検討されている方への家具選びのポイントや家具の修理を検討されている方のために今回の事例が参考になればと思います!
些細なお悩みでも構いませんので、家具のことならなんでもいのくち家具までご相談ください。
がたつきの修理